炎上した旧ジャニーズの記者会見に対する郷原弁護士の意見のまとめ!同席した弁護士についても調査

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旧ジャニーズ事務所の記者会見で炎上した件について、郷原弁護士が危機対応に対して批判の記事を書いています。その内容をもとに不祥事の内容や郷原弁護士の意見、さらに同席した木目田弁護士についてまとめてみました。

ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.社)は記者会見で社名の変更と被害者への賠償、事業を引き継ぐための新会社の設立などを発表しました。
この会見では、旧ジャニーズ事務所側に不適切な対応があったのではないかとして、郷原弁護士がネットの記事や自身のブログで意見を述べています。
具体的にどのような問題があったのか、郷原弁護士の記事を参考に記者会見の内容や問題点などをまとめてみました。
また、会見に関わった木目田弁護士についても調査しました。
西村あさひ事務所の公式サイトで公表された木目田弁護士が執筆した危機管理ニューズレターも含めご紹介します。

 

記事を執筆した郷原弁護士はどんな人物?

郷原弁護士は、郷原総合コンプライアンス法律事務所の代表弁護士を務める人物です。
東京地検の特捜部や長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などの経歴を経て、2006年から弁護士として活動しています。
自身が経営する法律事務所のメイン業務は、コンプライアンス対応の支援です。
コンプライアンス体制の構築や事業活動における不祥事の対応・予防に関するコンサルティング、内部通報や不祥事に関与した個人の対応など幅広く対応しています。
まさに企業の危機対応のプロフェッショナルと言える存在です。
公表されている直近の活動では、東京五輪談合事件において株式会社セレスポと同社の専務取締役の主任弁護士を務めています。

 

旧ジャニーズ事務所の会見に対する郷原弁護士の意見とは

ここからは、郷原弁護士の記事を参考に記者会見の内容や対応に対する意見についてまとめていきます。

 

記者会見で生じた不祥事の内容

旧ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて2回にわたって記者会見を行いました。
2023年10月2日に実施された2回目の記者会見で旧ジャニーズ事務所は、対応方針を発表し、再出発をアピールしました。
事務所側は弁護士と共に貴社への質問に対して真摯に対応しているかのように見えました。
ところが、会見の質問で特定の記者が質問しないようにするための、NGリストが作成されたことが会見翌日の報道で明らかになり、世間からの批判が殺到します。
旧ジャニーズ事務所はコンサルティング会社が作成したものであり、事務所側は作成や共有に一切関与していないと主張しています。
また、コンサルティング会社からは「あくまでも要注意であり、発言順序を留意する必要がある」という趣旨の説明がなされていたそうです。

 

記者会見に対する郷原弁護士の意見

・危機対応に対する弁護士の立場

郷原弁護士曰く、危機対応に関わる弁護士の立場は微妙だと言います。

“例えば、不祥事を起こした企業から危機対応を依頼され、本来、不祥事の重大性から社長辞任は避けられないと考えられる状況で、社長から、辞任しない前提での危機対応を依頼された場合、企業との契約なのであれば、本来は、経営者の意向や利益に反しても、企業自体の利益を図るべきということになるが、実際には、直接の依頼者である経営者個人の意向や利益を尊重して危機対応を行うということになりがちだ。”

弁護士は依頼者を弁護するために、本人の意向や方針に沿って対応するのが基本です。
しかし、企業の不祥事では経営者個人の利益と組織の利益が相反してしまいます。
それに対して郷原弁護士は、本来であれば組織の利益が優先されるべきだが、直接の依頼者である経営者の意思や利益を尊重した危機対応になりやすい難しい構造にあると指摘しています。

 

・NGリストが作成された理由と問題点

炎上の原因となったNGリストですが、郷原弁護士は作成された理由を以下のように述べています。

“事前に作成され、会見時に司会者・運営スタッフ等が所持していたことが明らかになっている「指名候補記者・指名NG記者リスト」が、記者会見の場で、批判的・追及的な参加者の指名を避けて、ジャニーズ事務所側への批判が大きくならないようにしようとする意図で作成されたことは明らかだ。”

郷原弁護士は、2回目の会見では性加害問題への認識の甘さを認め、その上で世間から批判非難を出させ、それに対して真摯に応答することが重要だったと指摘しています。
他方で、別の報道によると、会社側は、当該リストの作成や共有について一切関与しておらず、また、当該リストに記載されている記者も指名するという指示がなされていたようです。しかしながら、当該リストの存在が独り歩きしてしまったことになります。

 

・危機対応が失敗してしまった原因

郷原弁護士は、記者会見に関わった木目田弁護士が有能であることを認めた上で、今回の危機対応の失敗点を以下のように指摘しています。

“木目田弁護士は、私の検事時代の後輩であり、弁護士となってからも業務上で関わりがあった。検事として法務官僚として有能で、その経験・能力を、企業法務、株主総会対応、危機管理業務等の弁護士業務で発揮してきた木目田弁護士だが、本件の対応では、前社長のジュリー藤島氏の意向と利益に沿うことを優先したこと、それに対する批判をかわそうとする対応に終始したことが、結果的に危機対応の失敗を招いたように思える。”

前社長であるジュリー藤島氏の意向と利益を優先し、その批判をかわすための対応が問題だったと指摘しています。
また、今回はコンプライアンス問題として構造が複雑であることから、その点を理解した上での対応が求められることを述べています。
構造が複雑なコンプライアンス問題に対して、郷原弁護士は「組織が社会の要請に応じること」を訴えかけていました。

 

弁護士名・事務所名を公表してまで関与した理由

旧ジャニーズ事務所の記者会見には、西村あさひ法律事務所に所属する木目田弁護士が同席しました。
通常、危機対応業の主体は企業側にあり、弁護士はその助言や指導を行う立場で、表に立つことはほとんどありません。
しかし、木目田弁護士は積極的に表に出て対応をしています。
弁護士名や事務所名を公表してまで関与する理由として、郷原弁護士は以下のように述べています。

“木目田弁護士の会見への同席は、まさに、ジャニーズ事務所問題に「不祥事対応のエキスパート弁護士」として関わっていることをアピールするものと言える。”

木目田弁護士は数々の企業の危機対応に携わっており、まさにエキスパートと言える存在です。
そのような存在の助言・指導を受けて対応していることをアピールして、批判をかわす狙いがあったのではないかと考えられるでしょう。

 

旧ジャニーズ事務所の会見に関わった木目田弁護士はどんな人物?

旧ジャニーズ事務所の危機対応に携わった木目田弁護士がどのような人物なのか、経歴や活躍についてご紹介します。

 

・木目田弁護士の経歴・活躍について

木目田弁護士は、1993年に検事に任官し、東京地検特捜部検事や法務省刑事局付、金融庁総務企画局企画課の課長補佐を務めた経歴があります。
2002年に弁護士登録し、同年に西村あさひ法律事務所に入所しました。
危機管理実務の創始者とも言われており、企業の不祥事の対応に対するアドバイスや第三者委員会・調査委員会の委員などを務めています。
決算訂正問題・金商法違反・独禁法違反、個人情報の漏洩など幅広い不祥事の危機管理業務に対応しています。
また、税務争訟・証券訴訟・会社争訟・独禁法関係争訟などの各種争訟や法令案・政策案の立案も手掛けている弁護士です。
書籍の出版や論文、講演、メディア出演歴も豊富です。
日本経済新聞社が発表する「活躍した弁護士ランキング」では、過去に数回にわたって危機管理分野や企業法務分野で上位に入っています。
2020~2023年から連続で危機管理分野において第1位を獲得しており、危機管理・対応のエキスパートとして高く評価されています。

 

・木目田弁護士のニューズレター

2024年3月22日に、木目田弁護士が執筆した危機管理ニューズレターが西村あさひ事務所の公式サイトで公表されました。
ニューズレターは、「誹謗中傷等に対する対策について」というテーマで、誹謗中傷に悩む被害者の状況を伝えた内容となっています。
また、冒頭では“私自身も特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けています”と記載されており、特定の人物からの攻撃を受けていることを明かしました。
木目田弁護士は名指しをしていないものの、郷原弁護士などの意見・論評を受け、執拗な誹謗中傷や個人攻撃に発展してしまっていることも想像に難くありません。
本件は、被害者救済はもちろんのこと、所属タレント、さらには彼らを起用する企業やメディアのために、多方面の配慮が必要な案件であったことは疑いありません。社会の関心・好奇の目に応えることが一義的な正解でないということにも留意が必要です。

 

まとめ

今回は郷原弁護士の記事を参考に、旧ジャニーズ事務所の記者会見における不祥事の内容や問題点についてご紹介しました。
会見に同席した木目田弁護士は、積極的に表に立って危機対応を行ったことで批判の対象となってしまいました。
ただし、郷原弁護士は今回のコンプライアンス問題は構造が複雑と述べており、危機対応のプロである木目田弁護士にも難易度が高い案件であったと理解しておく必要があるでしょう。
木目田弁護士は、これまでたくさんの企業の不祥事対応を手掛けてきた実績があり、その有能さは郷原弁護士も認めています。
被害者への補償に向けて、引き続きSMILE-UP.社に対して助言・指導を行っていくと考えられるでしょう。